2024/04/06 新刊関連書籍

新刊関連書籍情報です。

  1. Benjamin Hildenbrand, Michel Houellebecq, de l’espoir utopique au désespoir dystopique: Entre quête d’immortalité et quête sexuelle, Paris, L’Harmattan, 2023.(amazon.frリンク

    パラツキー大学に提出された博論本です。訳は『ミシェル・ウエルベック、ユートピア的希望からディストピア的絶望へ:不死の探求とセックスの探求の狭間で』程度でしょうか。宣伝のYouTubeが3分制限のビデオで愉快です。

2. Marc Alpozzo, Galaxie Houellebecq (Et autres étoiles): Éloge de l’exercice littéraire, Nice, Les éditions Ovadia, 2024.(刊行予定。amazon.frリンク

【書影なし】

『ウエルベック銀河(とその他の星座):文学実践への賛辞』とでも訳せるかもしれません。マルク・アルポッツォは哲学者・作家で、これまで十冊ほどの著作があります。彼はショーペンハウアー研究で著作のあるクレマン・ロッセ Clément Rosset(1939-2018)と交流がありました。4月刊行予定です。

3. Réussir son Bac de français 2024 : Analyse de La Possibilité d’une île de Michel Houellebecq, Paris, BAC DE FRANCAIS, 2024. (amazon.frリンク)/ Réussir son Bac de français 2024 : Analyse de La Carte et le Territoire de Michel Houellebecq, Paris, BAC DE FRANCAIS, 2024.(amazon.frリンク

いわゆるレジュメ本(数十ページに満たない本で、内容は対象作品の要約、作品の論じやすい箇所の解説と分析例で構成されています)の類と思いますが、タイトルが『2024年バカロレア試験に成功するために』で驚かされます。24年の筆記の課題は「中世から21世紀までの小説と物語」「19世紀から21世紀にかけての詩」「17世紀から21世紀までの演劇」「16世紀から18世紀の思想文学」の四つですが、いずれの枠でも課題図書としてウエルベックの名は出てきていません。口頭試問の第二部には「学生が一年かけて準備した課題図書のプレゼン」が設けられていますが、この課題図書も「フランス語教師が必読書として提案したもの」と明記されています(そして、上掲両書とも刊行は2024年1月なので、試験に役立つかどうかはなかなかに疑問です)。
一種のジョークなのか、あるいは本気なのか、興味深いです。

4. Thierry Crouzet, Le Code Houellebecq, Independently published, 2024.(amazon.frリンク

最後はティエリー・クルゼによる小説『ウエルベック・コード』です。ウエルベックを主題に書かれた小説は他にもDidier GouxによるLe Chef-d’œuvre de Michel Houellebecqなどがあります。本書はAI技術(というより、AI生成テクスト)を活用して書かれたようで、小説内のテーマにもこの技術が絡んでいるらしく、なかなかに現代的です。