2025/07/26 「装飾」他(『ルネサンス』)読解

試訳

装飾

君の言葉にすがりながら、
僕は広場をあてもなく歩いていた
天蓋が開き、僕は何かの役を演じねばならなかった
どこかで。

押し広げられた、死の流れが
氷の破片を撒き散らしていた
僕の大動脈のまわりに、
僕は、うわべだけの存在だった

無益な言葉の噴出、
人間関係の忘却
人が殺し合う世界があり、
僕らの静脈のあいだに存在する世界がある。

この世界を承認するのは容易い
幸福を喪う覚悟があるならば
言葉は無駄ではない、
それは直前に訪れる

生のあらゆる断片が内破し、
静けさに包まれながら
装飾されたビール瓶の底に並ぶその直前に
打ち出しビロード、古い木材、古びた薔薇。

ビロードはまるで、
肌の表皮で音を立てるレモネード
その傷の多い肌はまるで遊牧民のそれ
細い切れ端になって裂けてゆく

装飾の宇宙のなかで、
どこもかしこも美しい宇宙
装飾の宇宙のなかで、
切れ切れの宇宙のなかで。


パスカル

彼女は僕の前で震えていて、僕は世界全体が震えているような印象を持ったのだ。
(感情のフィクション、再び)


ある孤独な人生の終末、
道が次第に透きとおり
私にはもう親もいない。
海に沈み込む島のよう。


ぼくたちの生きる時間はそれほどに残されてなく、
愛しいひとよ
だからラジオを消してくれ、
これからずっと。

いつだって誰かが代わりに生きてきたきみの人生
摩擦はなくて
つまりはとてもなめらかで、
人生は去ってしまうし肉体は徐々に変わって
誰か分からず、
人生は一糸纏わず。

がんばって忘れよう、古い形容詞
それとカテゴリ——
人生に詳しくなくてぼくたちは囚われたまま
出来の良くない概念に。