試訳
ヘルシンキでの十二か月…
ヘルシンキでの十二か月、真冬のただ中での十二か月
世界とのつながりといえばシチューのトナカイ
傷だらけの身体にひとり 僕は再び地獄へ帰る
耐え忍ぶこの痛みは絶対的な女王様
辱められたこの身体は、ふたたび地上へ戻る
するともう思い出せないマルト・タイユフェールのパイオツ。
痕跡を残しておきたかったけれど…
痕跡を残しておきたかったけれど
いくつかの神経細胞に
鋭敏でまとわりつくその舌の
モレナ、従順なフェラチオ女
どちらかと言えば恋人っぽい女
しかしすべてが霞み、すべてが消え
ぼくらを囲む裂け目が生じる
替えのきかない快楽が
ひどく醜い傷跡を残す。
友情の葬儀が営まれる、
それはぼくらの夢で抜きん出て間抜けなもの
もはや憐れみを覚えるだけだ
くたばるかわいそうな動物に。
大いなる独身者
夜がある、形なき夜、
夜はいつでも、どこにでも
恐ろしい夜、果てしなき夜、
夜は無関係にある 我らと。
孤独な粘膜の奥処
癇に障る香りがめぐる
我は大いなる独身者、
生き残りのなかの最新である
そして我は王国を思い出す、
わずかにかいま見た王国を
生まれては消える快楽を、
詩篇が抱くむなしき閃光。