2023/10/8 詩篇「これほど多くの心臓が」「僕の姉はひどく醜かった」(『幸福の追求』)読解

この地上ではあまりに多くの心臓が、すでに、脈を打った
そして収納箱に寄せ集められた小物が
語る陰鬱で悲惨な物語とは
この地上で愛を手に入れることのなかった連中のものだ

年老いた中年男たちのつまらない食具、
戦争未亡人の使い込まれたカトラリー
ああ! それからオールド・ミスのハンカチ
収納棚の中身よ、人生とはなんと残酷!

小物は整頓されているが人生はまるきりの空虚
夕方の買い物、余る食糧
見ることもないテレビ、食欲のない食事

最後には病が、すべてをとことんみすぼらしくし、
疲弊した肉体は大地へと混じり合う、
けっして愛されることのなかった肉体は秘密を残さず消え去るのだ。


僕の姉妹は一七歳のころ非常に醜かった、
第三学年のクラスでは、ミノ〔牛の胃〕と呼ばれていた。
十一月のある朝に彼女は池に飛び込んだ──
だが救助された、水は黄色く濁っていた。

羽毛布団の下にうずくまる姿はさながら肥満体の巨大な鼠、
彼女は穏やかで、ぎすぎすしたところの少ない人生を夢見ていた
それは社会的関係も、セックスの望みもない人生、
しかし静謐で、とても心地のよい、ほとんど消え入りそうな人生。

翌日の朝に彼女はある人影に気がついた、
右手の壁の上を動く、軽やかな輪郭に。
行かないでと彼女は言った、私は眠るわけにはいかないの──
あれは偉大なるイエス様、遠くで、足を引きずっている。
【僕は偉大なるイエスを想像した、彼は遠くで、足を引きずっている。】

少し怖い、と彼女は言った、でもこれ以上悪くはならないわ。
彼が戻ってくると思う? 私、ブラウスを着ようと思う。
こじんまりした家並みを見れば、まさに村そのもの──
すごく綺麗よ、あすこは。悲しいことになるかしら?
【あちらは、とても美しい。僕は苦しむことになるだろうか?】