2024/02/05「亀裂」ほか詩篇読解


亀裂

身動きの取れない、手応えのない静寂、
僕はそこにいる。一人きりで。誰かに殴られたら、僕は動く。
僕は血まみれの赤いものを守ろうとしている、
世界は厳密かつ容赦のない混沌だ。

周囲には人がおり、彼らが息するのがわかる
彼らの機械的な足音が鉄格子のあたりですれ違う。
一方僕は痛みと怒りを感じた──
すぐそばで、本当にすぐそばで、盲目の男がため息をつく。

僕は長い間、生き延びてきた。おかしなものだ。
希望を抱いていた頃のことはよく覚えている
幼いころのことさえ覚えている、
でも、これが僕の最後の役だ。

最初の瞬間から僕はそれを知っていた
少し寒くて、恐怖で汗をかいていた
橋は壊れていた、19時だった。
亀裂はそこにあったんだ、深く静かに。


癒し

夜明けのひとりぼっち – 静かな孤独
霧の覆いが川面に降りる
悲しみはついに憎しみを四散させた、
僕はもはや物質の世界にはいない。

昨日、僕の傷だらけの身体はタイルの上を這い
そして目は包丁を探していた
血が流れていたに違いない、怒りで膨れ上がった心臓が
胸の骨を痛く揺さぶっていた。

不安が泡立つ みみずの群れのように
皮膚組織の下に潜む、醜悪で貪欲な虫の群れのように──
奴らはにじみ出、蠢いた。僕は一対の
鋏を握った。そして自分の体を直視した。

夜明けのひとりぼっち – 無限の孤独
川は死体の山を押し流す
僕は新しい緯度【自由】を求めて滑空する、
音を立てながら沿岸航海船がル・アーヴルへと上っていく。


可能な行程の終焉

心乱してどうなるというのか? どうせ生きるのだろう
そして雲と人々を見るのだろう
僕はあまり参加しなかったが、とはいえぜんぶ知っていた
特に午後になると、そうした瞬間があった。

庭園器材の配置
無邪気さの代わりに、僕はそれをよく知っていた──
大規模な流通と都市部のルート、
そしてヴァカンスの日々の不動の退屈。

僕はここで生きるのだろう、この世紀末に、
僕の行程はいつも苦しかったわけではない
(肌に注ぐ太陽と存在の火傷)
僕は無感情な草の上で休みたい。

そうした草のように僕は老いてなおひどく現代的だ、
春は僕を虫と幻想で満たす
僕はそれらのように生き、苛まれそして穏やかに過ごすのだろう、
文明の晩年を。


陽の差す朝がさっと過ぎ、
ぼくは死ねればいいなと思う。
やつらの目には努力の色が。
おお、人間というものはなんとつまらないことか!

穏やかであるときなどないのだ
秋の日々に耐えられるほどには
人生はなんと単調で、
あらゆる地平線のなんと遠いことか!

ある冬の朝、心地よく、
人々の住処から遠く離れて——
夢を望む、なんとしてでも、
何物にも抹消されない思い出を。


昔を懐かしめない
ぼくは老人たちの落ち着きが妬ましい
彼らの目にある小さな死が、
生の手前にいるかのような態度が。

自己を押し付けられない
ぼくは征服者たちの渇きが妬ましい
子供たちの単純さが、
その泣き方が。

ぼくの肉体は緊張して錯乱に至り
待っている、昂奮や
変身や、破裂のように——
夜毎にぼくは死ぬ練習をする。


早熟のコメディアンであり、苦しみに通じていた
ぼくは奇妙で哀れな幼少期を過ごした。
ぼくはミニカーで遊び、友情が存在すると信じていて、
思いがけずもすでに憐憫の情を抱かせていた。

花の最期は激しいものだ
まるで爆発と正反対のごとく、
花弁の腐敗によって
ぼくらは神に見捨てられているのだと思い出す。

ぼくは快楽機械に囲まれて育った
それらは愛することなく、苦しむことなく生きていた——
ぼくはあの理想世界を諦めなかった
かつて垣間見た世界を。そしてよく苦しんだ。

人間の最期は汚らわしいものだ
まるでゆっくりと十字架にかけられるがごとく。
人々は頭を空っぽにすることができない——
人々は幻想とともに死ぬ。


今夜ヴェニスを歩きながら
きみのことをまた考えた、ぼくのリズ。
きみと結婚したかった
黄金の大聖堂で。

人々は行ってしまう、人々は去る
彼らはちょっとばかり生き急いでいる
ぼくは年を取ったと感じる、体が重い
愛以外の何もない。


・二章後半において詩作には⑴第一連と最終連での重ね合わせなどの技巧、⑵死のテーマの前景化、⑶immobileなど特定の語の多用、⑷詩篇内での時制の変化、などの特徴が目立つ。