試訳
ぼくらは高速道路を走っていたのだった
脇の土手で、大きなトカゲたちが
ひそかにうつろな眼差しを向ける先には
ぼくらの半透明な死体があった。
張り巡らされた知覚神経は
肉体の死より長生きだ。
ぼくは福音を信じている、
大雑把な運命を。
厳密な自意識が
孤独のなかで消失する。
それがぼくらに向かってくる、無限性よ……
ぼくらは神となる、ぼくらは王となる。
おだやかに、孤独にぼくらは待っていた、白い滑走路にて——
ひとりのマリ人がわずかな荷物を詰めていた
彼ははるか遠くの砂漠から来て運命を探していた
ぼくはといえば、復讐する気もなくなっていた。
雲が無関心で
ぼくらは孤独へ連れ戻される——
すると突然にぼくらは時から解放され、
空高く昇ってゆく。
触覚の幻想が消えれば
ぼくらは孤独だろう、友よ、そして自分自身に閉じ込められ。
肉体が最果てへと移行するときには、
ぼくらは動きを止めた恐怖を経験することになる。
海が単調で
生きたいという欲求が消え去る。
太陽から、神秘から離れて、
ぼくは力を尽くしてきみのあとを追いかけよう。
『幸福の追求』終
・『幸福の追求』の最後の3詩篇は、初版からNon réconcilié版まで常に並んで収録されているため、セットで解釈することができる(あるいはその必要がある)のではないか。
・最後の詩篇は、幸福を追い求めて世界各地を飛び回った詩人が帰る詩として読める。