2025/01/25 「マリー=ピエールへの詩」ほか(『闘争の意味』)読解

試訳

マリー=ピエールへの詩

明かりは危険なようだ
それに女性たちが自らの性に満足を求めるのは稀
当然のことだ。

内なる性器をもつという利点を
およそ無垢といっていい君の眼差しのうちに
私ははっきりと読み取る。
期待しているのか、挑発しているのか
いや結局君はいつだって期待しているんだ
君に与えられるか、拒まれるかするはずの
ある種の賛辞を。
そして要するに君に唯一できることは期待することなんだ。
だから、君は本当に大したものだ。

同時に君はあまりにか弱くあまりに従順だ。
君は知っている。汗をかきすぎると
私だけが君に与えることができる欲望は弱まるということを。
だって君は他には何も望まないのだから。
それに君にはこの欲望が必要だ。
だから君は本当に大したものだ。

同時に君はあの恐ろしい力を持っている
「はい」「いいえ」をいうことのできる人々の力を
この力が君に与えられた
多くの人が君を探し求めるかもしれない、何人かは君を見つけるかもしれない
君の眼差しは、種々の実存可能性と種々の世界構造化の鍵だ
君は人生から与えられた、特定数の他所を開く鍵だ
君の影響で、私は徐々により良くなっている
それに私は、君の力にも、敬服している。

君の前に私がいる
他なる世界を前にしているかのように
それでも、私は君の奥へと進む
立ち止まり、瞬間瞬間の音を聞く

そして他なる世界がある。


ある男の水中の生誕

まず肉欲と名付けなければならないこの行為がある、
これよりも適切な用語がないので
それは僕たちの精神的な資源の多くを従事させる行為
それから僕たちの信仰からも
なぜなら僕たちは条件を創り出す、新しい生命のためだけではなく、またそれは世界のために、全くの新しい生誕から、
僕たちはそこから始まりと終わりをも定めるだろう。

次にある種の動物的な存在が現れる
女性と関連付けるのは容易ではない
僕たちが知っている女性のように
僕は言いたい、今日の女性は
メトロに乗る
それで、もはや愛は消えてしまった。

燃え上がる抱擁の仕草がある
とても自然に唇へ手へと向かう
現れたしわくちゃの物体の前まで
それはまだ少し前まで守られていた
突然、人間の方向へ激しく落ち
取り返しのつかない仕方で
それから僕たちもまたこの没落に涙を流す。

悪から解放された世界にこの種の信仰がある
そして叫びと、苦しみから、
その世界では生誕の恐怖を
友好的な行為として考える。

僕は言いたい、ある世界で僕たちは生きていくのだと
最初の瞬間から
そして終わりまで、自然な終わりまで、
そのような世界は僕たちの本にはどこにも描かれてはいない。
それでも存在する、身を潜めて。


皮膚の下を走る、注射針が狙いさだめた静脈みたいさ、
あるいは美しすぎて消したくなくなる火事みたいなもんさ、
皮膚は硬化し、部分的にはほとんど青く見えるけれど、針が刺さる瞬間にはみずみずしさで溢れかえる
夜の中を歩きながら僕らの手は少し震えている、それでも指先は互いを探し求めているしそれでも僕たちの目は輝いている。

朝、台所には並べられたものたちがいつも通り。
窓からは廃墟が見え、流しには洗い物が山積み。
とはいえ、すべてが違うんだ、文字通り測り知れないこの状況の新しさ。
わかるだろ、昨日の夜半に、僕たちは避け難い領域に踏み込んだんだ。

君の小さくて柔らかい動物みたいな指が僕の指を掴み、そっと握りしめた瞬間に、
僕にはわかった 恋人かどうかなんてこんなときには重要じゃないんだって。
何かが形をなしたけれど、それは通常のカテゴリのなかでは理解できないものなんだ。
生物学的な革命の後には、本当に新しい天があり、本当に新しい地があるんだ。

ほとんど何も起きていないにもかかわらず、僕たちはこのめまいから解放されることができない。
何かが動き出したんだ、交渉の余地がない大きな力が。
阿片やキリストのもつような力さ、つまり愛の犠牲者ははじめは幸福な犠牲者なんだ
そして僕たちの中を流れる命は今朝になって驚異的なまでに増幅された。

しかし、同じ光が朝に差し込み、居所を見つけ強く高くなろうとも、
二人が見る世界にはまったく異なる意味がある
僕たちが愛の中にいるのか、革命的行動の中にいるのか、もうよくわからない。
そのことについて話し合った後、君はマクシミリアン・ロベスピエールの伝記を買った。

僕にはわかる 諦めの気持ちが古い皮膚のように簡単に剥がれ落ちたことを。
僕にはわかる その消失が信じられないほどの喜びで僕を満たしていることを。
僕にはわかる まったく新しい歴史の局面が開かれたんだってことが。
今日からしばらく僕たちは 別の世界に足を踏み入れることになる、僕にはわかる そこで万事が再構築されることが。