2025/08/09 et 17 「(原因などない)」他(『ルネサンス』)読解

試訳

原因などない
人類の不幸については、
とはいえわずかながら
幼年期の数年を、マロニエの下での散歩を、通学鞄を背負った日々を編み描く場面もある。

私の中で何かが壊れたのは、
昨日の朝食のときだった。
体重100キロはあろうかという二人の人間が、
胃やレントゲンについて話していた。

彼が言った――「おまえは意地悪だ…
俺はまだ長く生きられるんだ、だから楽しませてくれよ。」
だが、その老いた擦り切れた肉体はもはや快楽を知らず、
知っているのは恥だけだった、
恥と身動きの困難さと、
夕方の暑気に包まれた息苦しさだけだった。

こうして この二人は生きてきて、
おそらくは子を産んだこともあり、
その生を恥のうちに終えようとしていた。
私はどうしたら良いのかわからなかった【私はどう考えて良いかわからなかった/うまく考えられなかった】。
もしかすると、彼は生きるべきではないのかもしれない、
快楽の探求は本の中で語られているが、
それは人を不幸へと導くのだ
永遠に。

だがしかし、それでも彼らはそこにいた、この老夫婦は。
「たまには楽しむべきだ」と彼は言った。
そして、その妻の肉のひだを目にすれば、

売春やマッサージを誰もが許してくれただろう
彼の老い果て使い果たされた性器に。
「どうせ、あと数年しか残っていないのだ。」

この二人のあいだには、夢が入り込む余地はなく、
老衰を耐え忍ぶ術もなく、
擦り切れる肉体に優しく慣れていく方法もなかった。
彼らは存在していた、
彼らは休戦を求めていた、
休戦の空間を
彼ら老いて使い果たされた肉体に、
毎晩彼らによって拒絶されていた休戦を。


ジェルバ島「平穏」

ある老人が独りでミニゴルフを練習していた
鳥たちが理由もなく鳴いていた。
これが湾岸のキャンプ地にある幸せだったのか?
それは暑さだったのか?そういう季節だった?

太陽が写していた私の黒い輪郭
灰色の土地の上で、さっきまで揺れていた、
歴史のあらゆる特徴を解釈する必要がある
それから花々の模様、あまりにも蛇に似た

別の老人が似た者の近く
水平線の波をじっと見ていた一言も発さずに
伐り倒された木が怒りなく見つめるよう
樵(きこり)の腕の屈強な動き。

私の影に向かって赤蟻が前進していた。
それらは苦痛を与えず皮膚の中に入り混む。
私は突然に静かで穏やかな人生を望んだのだ
そこで人は無傷な私の存在を通り過ぎていくだろう。


靄のない夕べ

ビルのあいだをあてもなく彷徨うとき
ぼくは未来の生贄たちの姿が現れるのを目にする
ぼくはいくつかの策略を支持したい、
家具を買うことで希望を見出すこと

あるいはイスラームを信じること、とても優しい神を感じること
ぼくの歩みを導いて、ヴァカンスへ連れて行ってくれるような神
あの出発の香りが忘れられない
ぼくたちの途切れた言葉、互いに離れてゆく人生のあいだに香る。

夕刻の経過が時間を意味づけてゆく——
もう誰もぼくらの嘆きを受け止めない——
次々と消されてゆく煙草の合間に、
忘却の過程が幸福の限界を決める。

誰かがカーテンの織り目を描き
誰かが灰色の掛け布団を考案した
そのひだのあいだでぼくの身体は動きを止める——
ぼくが墓の心地良さを知ることはないだろう。


知覚―消化

人生が新しい世界をもう差し出さなくなったとき
驚いたまなざしに向かって、人生がもはや
ただ痩せた不毛な言葉を反芻するだけとなったとき、
日々が死に絶え、流れが止まってしまうとき、

乾燥した確定した物たちのただ中で
ひとつの知覚の袋が広げられ形が整う、
原始的なリズムに合わせて膨らみそしてしぼむ
暴力的な一日に疲弊した肺のつくるリズムだ。

身体の奥に寄り添ってくれる叡智などなく、
呼吸はただ空虚を吐き出すだけ
消化のただなかですべては再び努力となり、
骨の軽やかな重みが私たちを虚無へと引き連れる。

その骨の軽やかな重みはやがて
衝撃に対する代替物として寄生虫を与えてくれる
その虫は皮膚を食い潰してくれるのだ、それなのになぜこれほど苦しまねばならないのだろうか?
わずかな命がなお抵抗し、陰茎のうちに消え入る。


馬鹿な老人

時には、この世界を愛するんだろう
朝日のうんざりする明るさが
横たわる僕の肉を温めようとするのだ
一瞬一瞬の優しさを時々、感じることになるだろう

締め付けの熱と密に接する悦び
互いに触れ合う二つの肌、白い指が恥じらう、
僕は血を震わせる心臓を感じるだろう
それから性器を満たす幸福の波。

デッキチェアの影、青く暗い空の下で
僕は考えるだろう 肉体が溶け合うことについて
死に先立つこれらの小さな瞬間について
影が伸びるにつれて消えてゆく欲望について