2025/11/22 「(ジャック・ル・ミノールへ)」他(『最後の海岸の構成』)読解

試訳

ジャック・ル・ミノールへ

お前のカミさんのクルマが
急にお前を責任感たっぷりの男にしちまう。
お前はブルースでも歌って、
みじめな連中のお仲間になりたがっているくせに

とはいえお前の本懐は変わっちゃいない
しくじってきた年月のあいだ、ずっとだ──
つまりお前さんはまったくの芸術家で、
ロマンチストで、古臭いジャンキーのままってことさ。


B面

つづいて、突然すべてが魅力を失う
世界は相変わらずあり、それを満たすは変わりやすい対象
普通で儚く気まぐれな興味の対象、
褪せた光が抽象的な空から降りてくる。

これは存在のB面なんだ、
喜びもなく、本当の苦しみ
衰弱を原因としない苦しみもなく、
どのような生でも墓である

あらゆる未来が死を告知する
傷つける過去しかない、
夢と酔いの時代、
生には謎めいたところがひとつもない。


夜の帷が下りる、平穏と苦渋を携えて、
血が静脈のなかでゆっくりと疼く
一日の終わりに、身体は打ちのめされ、
明朝の空には靄がかかっているだろう。

静かな赤銅色の空気が身体の中を巡る 
油に覆われ、死に微笑む
遺伝子と習慣の中に組み込まれている
凧は迷う(揺られる)、孤独に夢中で。

夜は動きを止め、凧が墜落する、
その前に子供がいて、墜死をじっと見る
折れた棒、破れた帆の内部
自然の完全なる無関心の内部。

子供は地面を固定し(くぎ付けになり)、魂が洗われる、
あらゆる惨めなものを吹き飛ばす大風が必要だろう。
砂、余分な海、油や肉。
強風、それも容赦なき風が必要だろう。


雨の吐息が海の上で身をもたげ、
太陽は血の車輪のように沈んでいった
私は浜辺にひとり、歯を食いしばっていた、
舌の上には軽い苦味が漂っていた

私はチンパンジーたちのあいだで悲しかった
君は缶詰を買っていた
自然は服従し 我々に仕えるべきなのだ、
私は浜辺にひとり、剃り残しのひどい顔をしていた。

自然は人間に寄り添って形づくられるべきであり
そして人間は完成し 硬質な存在になるべきなのだ
私はいつも 虚空へ落ちることを恐れてきた、
私は虚空の中にひとり、両手が痛かった。

浜辺は漏斗のような音を立てて消え失せ、
私は恐怖の奔流に巻き込まれているように感じた
自分が生き延びていることが誤りのように思え、
世界は根本的に黒くなった。