2024/06/18 「血に身を捧げ」ほか(『闘争の意味』)読解
試訳 血に身を捧げ ぼくが本当に旅立つことはもうないぼくはこの場所を知っているからそれに自分の権利を知っているから、そして怒りを経験したから。 人間に仕えて、都市に安んじる、ぼくは自分の部屋をよく知っている夜の帳が下りる …
試訳 血に身を捧げ ぼくが本当に旅立つことはもうないぼくはこの場所を知っているからそれに自分の権利を知っているから、そして怒りを経験したから。 人間に仕えて、都市に安んじる、ぼくは自分の部屋をよく知っている夜の帳が下りる …
試訳 午後 やりかけの仕草は痛ましく終わる百歩進んで家に帰りたくなるだろう悪徳に溺れ横たわるためだ、そうすれば痛む肉体がその存在を主張するから。 外は酷い暑さで空は光り輝いている、生は若者たちの肉体をくるくると回す春の祭 …
試訳 街に陽が昇り広がり、また暮れる囚われ人のぼくたちは夜を乗り切りこの耳に届くはバスとかすかなる社交のさやぎ。ぼくが存在しはじめる。 今日という日が立つだろう。苦しみの塊であるぼくたちを周囲のものと切り分ける不可視の面 …
続きを読む “2024/06/04 「街に陽が昇り広がり、また暮れる」ほか(『闘争の意味』)読解・学会発表報告(八木)”
試訳 ぼくらは高速道路を走っていたのだった脇の土手で、大きなトカゲたちがひそかにうつろな眼差しを向ける先にはぼくらの半透明な死体があった。 張り巡らされた知覚神経は肉体の死より長生きだ。ぼくは福音を信じている、大雑把な運 …
試訳 代数学者たち 夜闇に紛れた彼らがとある無垢な星の近くを漂い、観察するは世界の誕生植物の成長そして細菌の淫らな繁殖——彼らは遥か彼方より到来し、時間がたっぷりとあった。 彼らにあるわけではなかったなにか未来についての …
試訳 ヴェロニク その家はばら色で雨戸が青かったぼくは夜闇に浮かぶきみの顔の輪郭を見ていた夜明けが近づいていた、ぼくはちょっと緊張していた、月が湖のような雲に滑り込んでいき そしてきみの両手は描き出すぼくが身体を動かし広 …
試訳 逗留施設 詩人とは自ら油まみれになる者救命隊員たちの御用になる前にだ昨日の午後の世界は穏やかだった、喜びに満ちた椰子の間を微風がそよぎ この空間と向こうの世界に僕は同時に存在していた、僕は南と他の三方向を知っていた …
試訳 変奏曲32番 裸の人間がふたり浜辺の端に寝そべっていて人生は奇妙な言葉を書き込んだのだった彼らの肌に。無垢でとても従順な、彼らはそこにおいて潮の流れに平される精根尽きた生存者。 真っ白なホホジロザメが二匹漂流物のま …
試訳 パッサージュ 1 蠢く大気に包まれた雨雲たちが渦巻き、世界は瑞々しくも陰気。空疎なものに支配されているがため。触覚を措いてあらゆる感覚は霧散し……池面に揺れる菩提樹の影。 おぼつかぬ足取りながらも海で果てん、と願う …
試訳 縮約演算子 夜の終わりごろ、つまり理想の時ひっそりと空の中心の青さが広がっていく時にぼくは独りで通り抜けるだろう、まるで誰にも気付かれていないかのように、無尽蔵のやさしく親しい北極光のなかを。 それからぼくの歩みは …