2025/12/20 「HMT」(『最後の海岸の構成』)読解

試訳

HMT

Ⅰ.

胸の奥底で、私はいつも知っていた
自分が愛にたどり着くだろうことを
そしてそれは
私が死ぬ 少し前だということを。

私はいつも信じていた、
あきらめたりはしなかった
姿を現すずっと前から、
私は君を予見していた。

そう、君なのだ
私という存在の実質は
私は歓喜の只中にいるだろう
虚構ではない君の肌のつくる歓喜のなかに。

触れればあまりにも柔らかく、
あまりにも軽く、あまりにも繊細
神的ならざる存在、
優しさの動物。

Ⅱ.

ボヘミアの王であった我にとって、
無垢な動物、
生への欲望、執拗な夢、
定理の証明であった我にとって

本質的な謎などない
我はその場所と瞬間を知っている
完全に、中心の点を
断片的な啓示の。

夜が星もなく眠るとき、
物質の限界に
祈りの状態が身を落ち着ける。
そこで第二の秘密が明らかになる。

Ⅲ.

この世界から立ち去る時
きみがそばにいてほしい
僕が息絶える最後まで
きみを信頼して見つめていたい

愛しい動物の美しい乳房
僕の手のひらのくぼみに密着する、
目を閉じる——きみの白い身体が
王国の限界そのものなのだ。

Ⅳ.

澄み切り晴れわたった好天の朝は
肉的思考で溢れかえり
それから膨大な血が逆流する、
きわめて重大な宣告である──

先へとゆく生は笑いながら
新たな諸存在を満たすのだろう、
生は長くは続かなかったが、
一日の終わりはなんと美しいのだろう。

Ⅴ.

一台の携帯電話
浜辺に忘れられた、
避け難き結末
通りすがりの愛の

そして前進する死
不平を小さく呻き、
おかしなダンスを踊るは
ぼくの感情中枢のうえ、

ベッドのなかに這い上る死が、
シーツを持ち上げる
廃絶されたぼくの愛、
どうして全部がこんなに辛いんだ?

Ⅵ.

数カ月後
(あるいは数週間後)
きみは僕に飽きたのだ
ぼくが女王のように扱っていたきみ。

この危険を知っていた、
試練を受けた者として、
太陽が、円盤のように、
僕の破れた人生の上で輝いている。

Ⅶ.

愛など存在しない
(本当には、十分には)
私たちは救いもなく生き、
見捨てられたまま死ぬ。

憐れみを求める呼び声は
空虚の中に反響する
私たちの身体は損なわれているが、
私たちの肉は貪欲だ。

消え去ったのは
若い身体がしたあらゆる約束たち、
私たちは老いへと足を踏み入れる
そこでは何も待ち受けはしない

ただ虚しい記憶だけが待っている
失われた日々の虚しい記憶と、
憎悪のひとつの痙攣、
そして剥き出しの絶望だけが私たちを待っている。

Ⅷ.

人生、人生、はるか遠い私の人生、
初めての願いはうまく叶わず
初恋はまるで不器用だった
それでも君は戻ってくるべきだった。

私は知らなければならなかったのだ
人生がもたらしうる最良のものを、
二つの身体がその幸福に触れ、
終わりなく結ばれ 再生するときの幸福を。

まったき委ねのなかに入り込めば
私は存在の震えを知る
消え去ることへのためらいを
ぎりぎりの縁で脈打つ太陽を

そして愛を、そこではすべてが容易で、
すべてが瞬く間に与えられる。
存在するのだ、時間のただ中に、
ある島の可能性が。