2024/01/21 「もう何もしたくないという欲望」(『幸福の追求』初版)ほか試訳・研究
『幸福の追求 La poursuite du bonheur』は1991年にラ・ディフェランス社から刊行されたのち、1997年に合本Rester vivant, suivi de La poursuite du bonh …
『幸福の追求 La poursuite du bonheur』は1991年にラ・ディフェランス社から刊行されたのち、1997年に合本Rester vivant, suivi de La poursuite du bonh …
忘却の長い糸がほどかれ、織られていく否応なしに。 叫び、嘆き、呻き。眠りを拒みつつ、僕は人生が遠ざかってゆくのを感じるそれはまるで大きな白い船、静かで、手の届かない。 クレシー・ラ・シャペルからの列車 同時代人が数名いて …
試訳(第二部冒頭詩篇) その地から根こそがれた玉蜀黍の苗のように、海から忘れられた古い貝殻のように、生のかたわらで 僕は僕を愛してくれようとした君に助けを求める僕とおいで、出発しよう、僕は再び見いだしたいのだ夜のあらゆる …
試訳 丘がなだらかに連なっている——遠くで、一台のトラクターのうなり。ぼろ家で火が起こった——人生とはひょっとすると何かの間違い。 私はどんどん耐えがたくなるサンダルを履いて笑うこの生き物たちに囲まれて、やつらはしょぼく …
続きを読む “2023/12/17 詩篇「丘がなだらかに連なっている」「この白い家々の向こうに」「いまは21時、暗くなる時間」(『幸福の追求』)読解”
試訳 光は海の上で輝いたさながら世界の原初の日々のように。我ら実存は重き障害である地球の調和を思うときに! 浜辺ではある家族が全員で、バーベキューを囲みながら肉について話していた、ほどほどに笑い、いくつか缶ビールを空けて …
続きを読む “2023/12/05 「光は海の上で輝いた」「一日の終わりの時間」(『幸福の追求』)読解・学会発表報告(西村)”
試訳 自然 私は羨ましく思わない、あの大袈裟なバカども一匹のうさぎの巣穴に惚れ惚れしているバカどもをだって自然というのは醜くて、うんざりさせ、敵意を向けてくるものだから——自然が人間に伝えるべきメッセージなんてない。 力 …
試訳 愛、愛 ポルノ映画館で、年金生活者たちが息絶え絶えにあり得ないと思いつつもじっと見つめていた下手に撮られた扇情的な二組の情事——ストーリーはなかった。 ここには、とぼくは独りごつ。愛の姿が、ほんものの姿がある、と。 …
試訳 FNACの一角の騒々しい人だかりは ひどく密で、とても残酷だった。 大きな犬が白い鳩の体を噛んでいた。 さらに裏通りを進めば、 年老いた女浮浪者が身を縮めて丸まって 無言で子供たちの唾液【つば】を受けていた。 …
続きを読む “2023/10/23 詩篇「FNACの一角の騒々しい人だかり」「私はひとりプジョー104を駆けていた」(『幸福の追求』)読解”
金持ちすぎるばあさんたちにとって死は厄介だばあさんたちは「おばあちゃま」と呼びかける義理の娘たちに囲まれているその娘たちは実に美しい目をリネンのハンカチで押さえ、絵画やアンティーク家具を値踏みする。 私には低家賃住宅に住 …
続きを読む “2023/10/15 詩篇「金持ちすぎるばあさんたち」「俺の繊細な肉体はどこだ?」(『幸福の追求』)読解”
この地上ではあまりに多くの心臓が、すでに、脈を打ったそして収納箱に寄せ集められた小物が語る陰鬱で悲惨な物語とはこの地上で愛を手に入れることのなかった連中のものだ 年老いた中年男たちのつまらない食具、戦争未亡人の使い込まれ …